白川(英)研究室

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻 生命情報工学講座

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2007.4.12
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細胞内シグナル伝達の分子メカニズム

すべての生物の基本単位は「細胞」です.従って細胞の働くメカニズムを解明することは,生物現象を理解する上で非常に重要なことです.それぞれの細胞の働きは,様々な生体機能分子(タンパク質,脂質,その他の小分子)からなる実に巧妙で複雑なシステムによって実現されていると考えられます.当研究室では,生きた細胞のなかでの生体分子の様子を「観る」ことを基本にして,さらに細胞のなかにいろいろな手法で「探り」を入れながら,細胞システムの仕組みについて解き明かすべく研究を行っています.

なかでも,最も注目しているのは細胞内のカルシウムイオンです.すべての細胞のなかで,カルシウムイオンは,その細胞の機能を調節するとても大切な役割を担っています.普段は非常に低く保たれている細胞内のカルシウムの濃度が,細胞が刺激されたとたん,急激に上昇します.右の図は,ハムスターの受精卵でみられるカルシウム反応を,蛍光性のプローブを用いて可視化したものです.カルシウムの上昇が細胞の端から端まで波のように伝わったり(カルシウム・ウェーブ),また増えたり減ったりを周期的に繰り返したり(カルシウム・オシレーション),とても興味深い変化をします.このようなカルシウム反応に関わる生体機能分子の動き・働きを詳しく観察したり,いろいろな分子を生きた細胞に入れてその効果を調べたりすることで,細胞内のカルシウムイオンを制御しているメカニズムの全容を明らかにすることを目指しています.

新しいバイオイメージング法の開発・応用

生きた細胞や組織の中の生体分子は,それに光る目印をつければ顕微鏡で観ることができるようになります.また,色が違う目印をつければ,数種類の分子を同時に色分けして観ることができます.近年では,光る目印として「蛍光」を発する物質がしばしば使われます.波長特性(スペクトル)が異なる蛍光物質を使えば色分けもできるわけです.

でももし,たくさんの色が混ざってしまったら,それぞれの目印を正確に分けられるでしょうか?いろんな絵の具が混ざった色をみて,どの絵の具がどれだけ混ざっているか当てるのと同じです.まぜるのに使ったもとの絵の具の色がそれぞれわかっていればできそうですが,どんな色の絵の具を使ったかも全くわからない場合は,ちょっと無理そうです.でも蛍光を使うと,それができるのです!「生きた細胞のなかで,たくさんの分子の動きを同時に観たい」,そんな欲求をかなえられる測定・解析システム(右図)を,当研究室では創ろうとしています.

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